観光地で長く続く2つのお店で感じた違和感とこだわり
こんにちは、ライフとキャリアをつないで楽しい生活をサポートする きたでFPキャリ工房の北出 紳一郎です。
観光地のお店で感じた違和感
先日とある観光地に行ってきました。
僕たちは結婚前から好きなエリアで、特に奥さんは何度も同じところをリピートしたい派なので、年に数回立ち寄っています。
いつもの神社を訪れて向かった先は、レストラン。
ビーフシチューやシーフードグラタンがおいしいお店です。
10年以上前からときどき立ち寄っていました。
平均単価は3000円くらい。
観光地としてもちょっと高めかなという感じです。
前回あたりからちょっと気になっていたのは、安めのランチメニューができたことです。
単価は2000円くらい。
今回行ったら2000円のランチがワンプレートになって、さらに安い1000円台のランチもありました。
ちょっとどうかなと思ってオーダーしたのは2000円のワンプレート。
やってきたのは・・・
お皿に乗ったちょっとのごはんに、なぜか揚げ物の付け合わせと小さなハンバーグ、デザートもプレートにのってきました。
一目見た瞬間、うーんやっぱり、と予感が的中してしまいました。
単価を落とすとクオリティも落ちる
結局、単価を落とすことは素材や調理をできるだけ簡単にして、コストを下げることなんです。
それをいかにクオリティを落とさないように工夫してお客様にご納得いただけるかが、お店の腕の見せ所なんだと思うんです。
今回出てきたランチは、コストを抑えただけ。
しかも価格は2000円と、一般的なお店のランチ帯を上回っています。
このお店では、本来ウリである3000円のメニューをチョイスするのが正解なんですね。
価値低下を感じたお客様は二度と足を踏み入れない
それがわかった今、じゃあ僕がまたこのお店にきて、3000円のビーフシチューを注文するか?といえば・・・
それはないなと思います。
おそらく次にこのエリアを訪ねたときは、別のお店をチョイスします。
こうしてひとりまたひとりとリピーターさんが減っていくんですね。
せっかくおいしいお料理を提供するお店なのに、すごくもったいない。
材料費が上がっていく中で、お客様にきていただくためには、コストを落として価格帯を下げてご利用しやすくする。
これ、とっても気持ちはわかります。
でもね、
一度でも満足度が低下したお客様はもう次はないと思って、毎回毎回真剣に考え抜く。
このくらいの覚悟がないといけないのだと思うのです。
人気の和菓子屋さんはこんな工夫をしています
一方、もうひとつ立ち寄った和菓子屋さん。
こちらは定番のおまんじゅうを中心に展開しています。
まず、お店自体がこのエリアしかありません。
都内のデパ地下で買おうと思ってもないんです。
それは、お店で作ってそれをお店で売っているから。
だから消費期限が短いんですね。
消費期限が短いということは、おみやげとしてはウイークポイントです。
職場の同僚におみやげとして買っていくには、週末を超えるとあと2日くらいしかない。
そうすると、なかなかチョイスしずらいですね。
もちろん消費期限が長い商品も用意していますが、やはり人気なのは定番の商品。
素材を生かして余計なものを入れないというお店のこだわり、軸を感じます。
同じエリアに商品の異なるお店が点在する
このお店のもうひとつの特徴は、歩いていける距離にいくつもお店があって、それぞれ売っている商品が少しずつ違うということです。
定番の商品に加えて、これはここのお店しかないというものがあるんです。
だからわざわざ別のお店に行って買うという、お客様にとってはちょっと面倒、でもお店にとっては、回遊性が生まれるという構図です。
ここも、チェーン店的な店舗展開をしないこだわりを感じました。
でもカフェ部門は撤退
では全部の展開がうまくいっているかというと、そうではないところもあって、たとえば、旗艦店の2階には以前は雑貨とカフェのお店があったんですが、数年前に撤退してしまいました。
ここでいただく珈琲とおまんじゅうが好きだったのですが、なくなってしまって残念です。
素人的には結構お客さんが入っていたので回っているのかなと思ったんですが、特に飲食部門は維持するのが難しかったのですかね。
じゃ空いたスペースはどこかに貸し出しているかというとそんなことはなく、お店のイメージや統一感は保っているようです。
お店に入った瞬間、あれっ?ていう感覚をお客様は深く心に刻みます
二つのお店の事例から感じるのは、何度か足を運んだことのあるお店に入った瞬間感じる違和感って、すごく当たっているし、それがリピートされるかされないかにつながっていくということなんだなということです。
前回ご来店時に感じていただいた高揚感やワクワク感を、次にいらしたときに超えられるか。
この課題は、どの業種にも永遠のテーマなのではないでしょうか。
入った瞬間、あれって感じた違和感は、最初の感動よりも深く心に刻まれます。
同じことをやっていたのでは感動は生まれません。
常にお客様の期待値をちょっと上回る工夫が必要なんですね。
僕たちのビジネスも、いつも意識して問いかけています。
今回感じた二つの事例は、他山の石として自戒したいなと思います。